クジャクの求愛行動

小さな地球で働く何でも屋さんの話。

~It's a small world project~

赤い現実、ピンクな妄想。

栃木で、黒ぶち眼鏡を失くした。

 

 

先日、思いつきで栃木へ行った際、行きの夜行バスで使っていた毛布にくるんで置いてきたらしい。

 

 

私の視力は、0.3程度で眼鏡がなくても日常生活にさほど支障はない。

 

 

ただ、待ち合わせの相手の顔をはっきりと確認する事ができないので、

 

 

目つきの悪さも手伝って眉間にしわを寄せてズンズン向かって行くため、

毎回とても怖がられる。

 

 

といっても、待ち合わせ相手に多大なるストレスと恐怖を与えるぐらいで、

眼鏡なし生活を経て私自身、今までなんで眼鏡してたのか根本的なところを疑うまでになってきた。

 

 

というのも、めがねをしていても以前から見間違いがすごく多い。

 

 

去年の冬、旦那と嵐山を旅していたとき。

 

 

渡月橋をわたろうとしたとき、きれいな残り雪を発見した。

 

 

「雪〜!!!!雪〜!!!!!」

 

 

と、両手あげて走っていくも

 

 

 

「ムササビ、それは、土です。」

 

 

工事現場によくある白い袋に入ったおもしを雪と勘違い。

 

 

冷静にきれいな日本語で間違いを指摘してくるスペイン人な旦那。

 

 

この間も、旅行でホテルに泊まる事があり、

 

 

廊下に耳をピンとはったかわいい犬がいた。

 

 

「見てみて〜!!犬〜!」と叫び、またもや両手を上げて走っていくも

 

 

 

「ムササビ、それはゴミ袋です。」

 

 

 

これまた冷静に示唆。

 

 

ちょいちょい出てくる不可思議な言葉、

「ムササビ」は、旦那がなぜか私を出会った当初からそう呼んでいるので

気にする事は無い。

 

 

 

 でも、自分の見間違いなんてかわいいものだ。

 

皆さんは「鳥目」という症状をご存知だろうか。

 

  • (とりめ)は夜盲症のこと。夜になると視力が著しく衰え、がよく見えなくなる病気。wilipediaより

 

よく旅をする友人は、自称鳥目。

 

 

以前、彼女と映画に行ったとき、場内ではすでにコマーシャルが始まっていて足下が暗かった。

そこをズンズン進む私の腕を鷲掴み、

 

「ちょっと待ってよ!私、鳥目やねん!鳥目やねん!」

 

 

これまた静まり返った場内で大きな声だこと。

 

 

「いやいや、静かにしてほしいけど、

そもそも鳥目って何よ!」

 

 

もう、初めての語彙に興味津々。

 

 

そこで、初めて鳥目とは何たるかを知った。

 

 

 

そして、そんな鳥目な彼女とある島を訪れたとき。

 

 

予定外に地元のおっちゃんと話が盛り上がり、

街頭のない強烈な坂道を自転車で上って宿舎まで向かう事になってしまった。

 

 

しかも、外は大雨。

 

 

そんな最悪の状況に加えて、鳥目の方の自転車のライトが壊れていた事を思い出した。

 

 

坂道を私が先導し、ライトを照らして彼女の目になる。

 

 

 

ところが、私にもそのとき重大な病に冒されていた事に気づいた。

 

 

私は、

「急な坂道を上ると、

ものすごい睡魔に襲われる」らしい。

 

坂道の途中で、鳥目な彼女の目になるどころか、

 

 

私のまぶたは開こうとしない。

 

彼女が鳥目なら、

こっちは坂寝だ。

 

 

嵐で坂道の中腹。

成人女性の

 

「鳥目やねん!鳥目やねん!」の叫び声と、

 

「坂寝やねん!坂寝やねん!」の意味不明な雄叫び。

 

 

そんな奇想天外な状況でも、あきらめない限り道は開かれる。

 

 

坂を越えると、お宿が見えてきた。

 

 

 

はぁ〜、もう安心。

 

 

安堵に落ちた私たちは、

お互いの症状の重要性をシェア。

 

 

「さっき気づいたけど、私は急な坂道をのぼると劇的な睡魔に襲われるみたい。

 

だから、これからは坂道のない場所を旅しよう。

 

 

で、あんたの鳥目はどの程度のもんなん?」

 

 

 

 

 

友人「こないだ、夜自転車をこいで帰っててん。

 

 

そしたら、誰かの財布が道路に落ちてたから、

 

 

 

ちょっと心躍らせながら拾おうと手ぇのばしたら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亀やってん。」

 

 

 

 

診断:重傷!

 

 

私の見間違いとか全然たいしたことないと確信。

 

 

やっぱり、持つべき者は友達。

 

 

 

そんな優越感にひたっていたら、

 

先日、飲み物をオーダーしたとき。

 

「そのピンクの飲みものとって。」

 

「ピンク?え?どこにある?」

 

誰にも伝わらない。

 

 

どうも、私がオーダーしたものは誰がどう見ても「赤い飲み物」だったらしい。

 

 

どこかで誰かが私のことを「色盲」と呼んだ気がしたが、

 

 

私はそのピンクの飲み物でそんな小さいことを水に流す事にした。